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ONUKICHI.COM

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フィリピンに約100万店もある謎の小売店「サリサリストア」その実態を探ってみた!

サリサリストアの写真

 

※本記事は留学コラムに寄稿したコラムを転載しています。

普段ちょっとした買い物をしたい時に利用するのって、やっぱり近くにあるコンビニエンスストアですよね。フィリピンにも日本のコンビニがいくつか進出しているのですが、同時にフィリピンには独特の小売店も存在しています。 それが「サリサリストア」です。 サリサリストアはフィリピンに約100万店もあります。町中には必ずと言っていいほどあり、フィリピンを訪れたら目にする機会が多いでしょう。今回は、フィリピン人がちょっとした買い物をするときに利用する「サリサリストア」の実態を探ってみました。

サリサリストアとは?

サリサリストア(sari-sari store)は日本でいうコンビニのようなお店で、ジュースやお菓子、タバコから洗剤まで様々な商品を販売しています。sari-sariとはフィリピンの国語であるタガログ語で”多様な”という意味であり、多様な商品を販売しているお店のことをサリサリストアと呼びます。 つまりサリサリストアとは店名ではなく、あくまで業態名であるためチェーン店ではありません。 このサリサリストアは、驚くべきことにフィリピン全土に約100万店も存在しています。日本のコンビニの店舗数が約5万4000店(2016年12月時点)であるということを考えると、サリサリストアがどれだけ多く存在しているのか想像できるでしょう。 実際のサリサリストアはこんな感じです。

サリサリストアの写真

ここは僕が初めて訪れたサリサリストアで、お世辞にも綺麗とは言えないですね。

サリサリストアの鉄格子

このサリサリストアには鉄格子があり、近寄ってみるとこのように鉄格子が三重につけられていました。 その一方で鉄格子がないサリサリストアもありました。どう考えても鉄格子があるとコミュニケーションがとりづらいですし、外観もよくないです。日本だと考えられないですよね。 僕はなぜ鉄格子があるサリサリストアとないサリサリストアがあるのか気になりました。 これについてフィリピン人の友達に尋ねてみたところ、その理由が判明しました。 フィリピンは日本とは違って、治安が悪い(スリや強盗など)地域があります。治安が悪い地域にあるサリサリストアは、防犯のために鉄格子をつける傾向があるそうです。 ということは僕が初めて訪れたサリサリストアがある地域は、治安があまり良くない地域ということですね。サリサリストアに鉄格子があるかないかで、ある程度周辺の治安状況の検討がつくかもしれません。

サリサリストアの写真

5店舗ほどサリサリストアを回ってみると、写真のように綺麗なサリサリストアもありました。

サリサリストアにはどんな商品が売ってるの?

サリサリストアは日本のコンビニのようなお店とよく言われますが、どのような商品が売られているのでしょうか。 サリサリストアの店主に許可を頂き、店舗の中へ入らせていただきました。

サリサリストアの店内

初めて見る商品ばかりだったのですが、販売している企業を見てみると味の素や日清などの日本企業や、ネスレなどの多国籍企業の商品が多くありました。 写真を見てお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、サリサリストアの商品にはある共通点があります。それは商品が小分けで販売されていることです。

サリサリストアの商品

スーパーでは5パック入り1セットで売られている商品が、サリサリストアでは1パック単位の小分けから購入できます。

小分け販売にニーズがある

小分けの商品を購入するよりも、まとめ買いをした方がお得であることは間違いありません。それなのになぜサリサリストアの商品は小分けで販売されているのでしょうか。 それにはまだまだ発展途上であるフィリピンだからこその理由があります。 フィリピンは国民の90%が低所得者層であると言われており、日給や週給で生計を立てている家庭が多く、日本のようにまとめ買いをすればお得という考え方がそもそも存在しません。 小分けで商品が販売されているサリサリストアでは、少ない手持ちのお金でも商品を購入することができます。そのためサリサリストアはフィリピン人の生活にとって必要不可欠な存在なのです。

大手メーカーと直接取引!?商品を仕入れる手法にも注目

店主に商品を仕入れる手法を尋ねたところ、サリサリストアには大きく分けて2つの手法で商品を仕入れていることを知りました。 1つは卸売業者がサリサリストアに商品を卸す手法です。味の素などの大手メーカーの社員が直接商品を卸しているサリサリストアや、ネスレなどの大手メーカーから委託された販売代理店が商品を卸しているサリサリストアがありました。 こんなに小さなサリサリストアが大手メーカーと直接取引していることに僕は驚きました。それだけフィリピン人が頻繁にサリサリストアを利用しているのだと思います。

サリサリストアの商品

もう1つはサリサリストアの店主が、公共市場やスーパーマーケットで直接調達する手法です。この手法は日本のコンビニにはないですね。公共市場やスーパーマーケットで購入した商品を小分けにして販売しています。

サリサリストアは利用者のニーズに応えている

サリサリストアはフィリピン全土に約100万店も存在しており、現在も増加傾向にあるようです。その理由は利用者がサリサリストアを利用するメリットがあるからです。 サリサリストアを利用するメリットは以下の3つです。

1. 小分けで購入できる

やはり一番のメリットは小分けで商品を購入できることだと思います。多くのフィリピン人はまとめ買いをする余裕がないため、小分けで商品を購入できるサリサリストアには大きなニーズがあります。

2. アクセスがいい

それにサリサリストアはアクセスの面でも優れています。サリサリストアは約100万店も存在しているため町中の至るところにあり、コンビニが2店横に立ち並ぶ光景はあまり見ないと思いますが、サリサリストアが2店、3店もしくはそれ以上立ち並ぶのは当たり前の光景です。

3. ツケ払いができる

そしてなんとサリサリストアではツケ払いができるのです!サリサリストアの店主とお客さんは顔見知りであることが多いため、明確な基準はわかりませんが(たぶんない)ツケ払いができるのです。これはウータン(utang)と呼ばれており、タガログ語で”債務”を意味しています。 日本人からすると、コンビニでツケ払いをすることは考えられないですよね。しかも署名なども必要なく、完全に口約束となっています。これも信頼関係が築けているからこそだと思います。 このようなメリットがあるため、サリサリストアはフィリピン人から大きなニーズがあるのです。

まとめ

サリサリストアの店主とお客さんは顔見知りであることが多く、住民同士のコミュニケーションがあるローカルなコミュニティとして機能していることがわかりました。 僕もフィリピンに滞在している時に、コーヒーが飲みたくなり、かつサリサリストアで買い物をしてみたいという好奇心からネスレ社のネスカフェを購入しました。またフィリピン人の友達(高所得者層)も休み時間に食べるお菓子を購入したりと、サリサリストアはフィリピン人皆がちょっとした買い物をするお店であると言えます。 まさにイメージは日本でいうコンビニであり、低所得者層だけが利用するお店ではなく、所得階層に関係なく全てのフィリピン人に親しまれ日常的に利用されていました。 皆さんもフィリピンに行った際には洗濯1回分の洗剤などのように、小分けで商品が欲しくなったらサリサリストアを利用してみてはいかがでしょうか。